皆さん、こんにちは。ジーエスアイの日高です。
9月に入り、少しずつ秋の気配を感じるようになりましたね。
夜になると虫の鳴き声が秋の訪れを感じさせてくれます。
しかし一方では、台風15号の影響でライフラインがストップし、大変苦労されている千葉県の方々がいます。
行政の対応の遅れも問題視されていますが、一刻も早いライフラインの復旧を願っています。
ところで、9月というのは私にとって、たくさんの記念行事があるので、両親の事を思い出したり、幼い日の思い出に浸る時期でもあります。
9/ 3 母親の誕生日
9/13 母親の手術の日
9/15 父親の誕生日
9/16 安室奈美恵引退(笑)
9/20 父親の命日
この1年は、母親の介護など忙しく、父親のことを考えることは少なかったのですが、最近は母親も安定してきて、落ち着いていますが、父親の命日が近づくにつれ、当時のことをよく思い出します。
その時のことは下記ブログに掲載していますので、お時間があればご一読いただければと思います。
http://lab.griefsupport.co.jp/?p=214
ジーエスアイに入って、エンバーミングやご遺体処置セミナーなど、ご遺体に関することも知識として入ってくるようになり、最近頭に浮かぶのは、父親への出来なかった後悔ではなく、息を引き取る瞬間の場面が多くなりました。
今でも呼吸が止まる瞬間のことを思い出すと心臓がドキドキし始め、不安な気持ちになります。
しかし、その場面は覚えているのですが、その後、自分がどういう行動を取ったのか、担当医や看護師にお礼を伝えたのは覚えているのですが、それ以降、葬儀会場に移動するまで、何をして、誰と会って、何を話したのかなど未だにハッキリとは思い出せません。
あれから6年、これを書いている今日まで一度も夢に現れてくれない父親。
話したい事、伝えたい事、たくさんあるので、早く夢に現れて欲しいと思う今日この頃です。
さて、今日は前回の「医師編」に続き、「看護師編」をお送りします。
医師よりも近く、そして長く患者と接する看護師の方にも母親の入院・闘病中に患者家族として感じたこと、伝えたいことがありますので、場面、場面に居合わせた3人の看護師の方を例に挙げてみます。
後編:看護師編
(1)背骨手術の県立病院の看護師
★手術直前の病室での場面
手術前に必要だと思われる点滴が一滴も落ちていなかったので、看護師の方を呼んで聞いたのですが、その看護師の方は、「電源が入ってませんでした。これで大丈夫です。」と、あっさり答えて病室を出て行こうとしていました。
散々、担当医に手術を受けるに際して最悪のリスクの説明を受けて、それでも決断して手術を受けようと決めた家族としては、
「電源が入ってない? 」
「命を預かる立場の人間としての態度ではない」
「この手術、大丈夫? 」
案の定、不安が爆発し、その看護師の方に怒りをぶつけてしまいました。
もしかしたら、その点滴は手術にはあまり関係なかったかもしれませんが、全く危機感というものが感じられなかったので、看護師の方も手術に立ち会う家族は不安でいっぱいであることを理解した上で今後は接しもらえたらと思います。
(2)背骨手術後にリハビリ入院した病院の看護婦長
★透析入院の受け入れ拒否をされ、病室に戻ってきた時の場面
「疲れたでしょう。これから辛い治療をするよりも、ここで穏やかに過ごしていきましょうね」
医師編(2)で述べたように、自分の意志で透析を拒否し、諦めの状態で戻って来た本人・家族が居る前でこの言葉を聞いたら、いくら慰めの言葉だとしても、希望を失ってしまいます。
あの場面で必要だったのは、早く家族だけの時間にして欲しかったという事です。「迷惑かけてごめんね」と言って目を瞑った母親の姿を忘れることはできません。
状況を把握した上で、その場でどう接したら良いのかを判断する力も必要だと思いました。
(3)透析を受け入れてくれた病院の看護師
★透析用シャントを抜かないようミトンを付けさせられていたのですが、食事後、寝るまでは外したままでお願いできないか相談した時の場面
「では、万が一、シャントを抜いて大量出血した場合、責任は取れるんですか? 」
家族としても看護師の方に負担がかかることは分かっていたのですが、それでも、ミトンを付けて不自由そうな母親を見ていて可哀想に思い、ダメだと分かっていながらも、軽い気持ちで聞いただけでした。
あんなに凄い剣幕で捲し上げるように言われるとは思っていなかったので、恐縮してしまいました。
たぶん、同じようなご家族に何度も同じ質問をされているのでしょう。またそれ? と思う気持ちはわかります。
看護師にとっては何度目かもしれませんが、患者家族にとってはそれが初めて質問なのだから、都度リセットして、丁寧にミトンの重要性を伝えれば患者家族も納得してくれると思いました。
前回から患者家族の意見として偉そうに述べてきましたが、患者家族は途方もない不安に襲われながらストレスを溜めています。
また、命を預かる病院の医師・看護師も過酷な業務に追われながらも、患者に寄り添った治療・看護を施してくださっています。
それは患者家族も十分に分かっています。
不安しかない患者家族は、少しでも明るい希望を見つけるために必死であり、自分中心に物事を考えてしまいがちです。
わがままも言うでしょう。理不尽な事を言われたりすることもあるでしょう。
このブログを通じて、患者家族の気持ちを少しでも知ってもらえることで、今後の患者家族との接し方の参考にしてもらえたら嬉しいです。
書いた人:日髙一哉