大好評の「グリーフサポート導入事例インタビュー」第3弾
ジーエスアイで学んでくださった方々から、会社経営や現場にグリーフサポートを取り入れていくことで、売上が上がったりリピート率が向上したなど、実際の成果に繋がった事例をご紹介しております。
<過去の記事はこちら>
【グリーフサポート活用事例①】山内葬祭の成長モデルを支えるグリーフサポートの軸
【グリーフサポート導入事例②】グリーフサポートが根付いているお寺
さて、今回は日本で一番グリーフサポートバディが在籍している企業 株式会社濃飛葬祭での取り組みをご紹介します。
株式会社濃飛葬祭は、岐阜県美濃加茂市を中心に、葬儀から葬儀後のアフターケアまで手掛けていらっしゃる企業です。
代表取締役 鈴木哲馬氏に、グリーフサポートを社員研修に積極的に取り入れている理由をお聞きしました。
Q:グリーフサポートを社内研修に取り入れている理由を教えてください。
創業以来、店舗展開をして規模を拡大しながら順調に成長を遂げていましたが、ある時、頭打ちになってきたのを感じました。
今まで通りのやり方ではこれ以上は伸ばせないのではないか、もっと新たな打ち手が必要だ、そんな危惧を感じるようになっていました。
経営のスタイルも、社長である私が主導権を握り、重要事項の決定は経営側で行い、決まったことを指示として下へ降ろしていく……というやり方でしたが、もっと社員が自主的に動ける組織に変えていく必要性も感じていました。
異業種の成功事例を学んだり、さまざまな研修を受けたりして、組織改革へのヒントを模索していました。
社内の意識改革になればと、いろいろな社内研修も積極的に取り入れていきました。
そんな中で、ジーエスアイの橋爪代表にお越しいただき、「グリーフサポート研修(グリーフサポートセミナーベーシックコース)」も実施してみると、従業員からの反応がとても大きかったんです。
それで、本格的にグリーフサポート研修を導入することになりました。
現在までにパートを含む従業員のほぼ全員が受講し、社内には、これまで16名、グリーフサポートバディの認定を受けています。
全社を挙げて、グリーフサポートをサービスを軸にした、ご遺族のサポートに取り組んでいます。
ジーエスアイの研修の良いところは、「変換がいらないところ」だと思っています。
巷にはさまざまな研修や学びの場が提供されています。それぞれ利点はありますが、実践に落とし込んでいく時に、いずれも一度自分たちの業界に合わせて変換作業をしなくてはいけないところがあります。
でも、このグリーフサポートの学びは、業界に即しているので、そのまますっと理解できますし、現場ですぐに取り入れることが出来ます。
また、しばし現場から離れてリフレッシュ出来たり、自己成長を促す機会にもなっています。
終始、とても和やかなムードで進んでいく中で、多くの従業員が自分のことを振り返り、涙しています。
葬儀に携わる仕事は、死を扱う場面に立ち会うわけですから、ストレスや悩みも抱えがちです。
グリーフについて学びを深めると、大切な人を亡くして苦しんでいる状態がどういうものなのかという理解が進み、ご遺族へ心を寄せることになるので、自然に自信をもって接することができるようになります。
そうはいっても私はこのグリーフサポート勉強会の場は、自分を見つめる場にしてもらいたいと考えているので、仕事に生かす云々の前に、自分の人生に活かしてほしいと伝えています。
ある社員から「いろいろな研修を受けてきたけれど、この学びが一番役に立つのでぜひ継続してください」と言われました。
グリーフサポートの学びが、社内でここまで広がっているのは、従業員からの自主的な動きがあるからなんです。私は従業員の自主性をできるだけ尊重したいと思っています。
自ら「学びたい」という気持ちを持てる学びが、人を成長させると信じています。
人材成長を一番に考えて取り組んできたことで、従業員のパフォーマンスが上がり、おのずとサービスの品質レベルも向上していきました。
それによって可能になった葬儀の形「家継葬」も生まれました。
家継葬は、その家に代々伝わってきた歴史、習慣や価値観を引き継いでいくという新しい発想を取り入れた濃飛葬祭オリジナルの葬儀です。
より一層、スタッフには高いコミュニケーション能力やグリーフに対する深い理解が求められていくことでしょう。
この新しい挑戦も、グリーフサポートマインドを社内に根付かせ、儀式のプロフェッショナルが育成できていることで実現可能になったと思っています。
■グリーフサポート導入ストーリー■
- 平成10年
母を亡くした際に、はじめて「見送る側」の立場を体験したことで、価値観が変化。
以降、闇雲に会社の規模拡大をめざすことを止め、故人の思いをきちんと受け止め、遺された人々に受け継いでいく、そんな葬儀ができる会社を作ろうと決意。
大きな斎場で一日に数件の式を行うのではなく、ご家族や知人が故人と過ごす時間を大切にしていただけるよう、一日に一件の式を行う小さなホールを作るなど、質重視の経営戦略に変更し、組織改革にも挑んでいく。 - 平成18年
ジーエスアイよりグリーフサポートの研修を提案を受けたものの、グリーフサポートがどう経営に貢献するのか必要性を見極めかねたため、この時点では見送りする。 - 平成25年
先に受講していた家族から薦められ、ベーシックコースを受講。 - 平成28年
社内法人研修として「グリーフサポート研修」導入。社員だけでなくパートスタッフにも積極的に受講を促す。 - 平成30年
社内でグリーフサポートバディはこれまでに16名認定。日本で一番グリーフサポートバディが多く在籍する企業となる。
おのずと従業員のパフォーマンスが上がり、サービス品質も向上。
濃飛葬祭オリジナル葬儀「家継葬(かけいそう)」も開発。
(書いた人:穴澤由紀)