【グリーフサポート活用事例①】山内葬祭の成長モデルを支えるグリーフサポートの軸

ジーエスアイが行っている「グリーフサポートセミナー」には、葬祭サービス業界の方々もたくさん学びにきてくださっています。

なぜ、葬祭サービス業の方がグリーフサポートを学ぶのか?

それは、目の前の仕事に直結するからです。

どの業界でも、質の高い仕事をして成功するためには、「顧客理解」なくしては始まりません。

お客様の状態を知り、ニーズを掴むことで、はじめてお客様にとって価値のあるサービスを提供することができます。

もし、こちらの思い込みだけでサービスを提供しても、それが求められていることでなければ、お客様には喜んでいただけず、かえって押し付けに感じられたり、クレームを呼んでしまうことさえあるかもしれません。


葬儀の仕事におきかえると、接するお客様というのは大切なご家族を亡くされた「ご遺族」になります。

死別直後の悲しみや苦しみを抱いたグリーフの状態にいらっしゃる場合が多いでしょう。

平常時ではないお客様です。
 
不安定な心と体でなんとか頑張っていらっしゃったり、疲労がピークに達していたりとご遺族の方には余裕がないことがほとんどです。

接客という視点で捉えた時、どの場面よりも、もっとも難易度の高い局面でお客様に接していると言っても良いのではないでしょうか。
 
 
そのことに気付かれた葬儀社の方は、「グリーフサポートの学びは必須だ」とおっしゃいます。

 
グリーフサポートを学び、ご遺族のことを深く理解することで、仕事の質は必ず変わります。

ご遺族にどのように接し、どのような言葉かけをし、どのように打ち合わせを進めていけばいいのか。
グリーフサポートの視点から物事を捉えることができると、より落ち着いて自信を持って接することができるようになるからです。
同時に自然とご遺族との信頼関係が深まっていきます。

葬儀だけでなく事前相談やアフターフォローに至るまで、実践に活かしていくことができます。

ジーエスアイで学んでくださった方々から、会社経営や現場にグリーフサポートを取り入れていくことで、顧客満足度が上がったり、リピート率が向上するなどして、結果としてそれが売上にも反映するなど、実際の成果に繋がった報告をたくさんいただくようになりました。


グリーフサポートラボの読者の方にも参考にしていただけることがあると思いますので、今回よりシリーズで「グリーフサポート導入事例インタビュー」をお届けしますね。

  
トップバッターは、新潟県の県央地区を中心に葬儀サービスを提供されている「株式会社山内葬祭」会長の山内誠一氏にご登場いただきます。

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山内葬祭は、グリーフサポートを取り入れてから数年で葬儀・法要の施行件数は約3倍に増えています。

また、地域の方々との接点が多く、葬儀の前から関係性が作れているため、事前相談の件数も伸びています。

地域の方々との信頼関係を作り上げ、単価も上げつつ施行件数を順調に伸ばしている背景にはどんな戦略があるのでしょうか?

その成功の秘訣を山内氏にお聞きしました。



Q: グリーフサポートを活用しながら、どのように件数を3倍まで伸ばしていったのでしょうか?



地域の皆様に、弊社を知ってもらうところから葬儀をお任せいただくまでの事業戦略の根底にグリーフサポートの視点を入れています。

私達は、葬儀の前からお客様との接点を持ち、コミュニティを作っています。

事前相談など葬儀に直結していることだけでなく、ただ楽しんでいただくだけの各種イベントや勉強会などを積極的に開催し、お客様の日常の中に溶け込んでお付き合いをさせていただいているんですね。


ですから、葬儀ではじめてお会いするケースよりも、もともと関係性がある中で、自然に「葬儀もよろしく」とご依頼いただくことがほとんどなんです。

長期に渡ってお客様との信頼関係を気付いていくためには、グリーフサポートの軸が絶対に必要です。

グリーフサポートと聞くと、葬儀からその後をサポートすること、と思っていらっしゃる方もいると思います。

でも、実は葬儀に至る前からグリーフや喪失感を抱えているお客様というのはたくさんいるわけですね。

事前相談に来られる方であれば、「もうすぐ大切な人を失うかもしれない」という予期悲嘆を抱えていらっしゃることが多いと思います。

でも、相談内容としては「お葬式っていくらくらいなんですか?」とまず価格のことを質問される方がほとんどです。

ここでプランだけを提案してもお客様は納得していただけません。本当に困っていることは価格ではなく、他のところにある場合も多いんですね。

大切なのは、葬儀の意義を伝えてなおかつ、その人が本当に悩んでいる本質的なところを見抜いてサポートしてあげることなんです。

弊社の事前相談は一回では終わりません。何度もお話ししますし、ただお茶を飲みにいらしていただくだけでいいんです。

その中でしっかりコミュニケーションしていくと、その方が何に困っているのかがはっきりしてきます。

ご遺族の納得感や満足度を高めていくために、人材育成に非常に力を入れています。


高いコミュニケーションスキルも求められる仕事ですし、グリーフについての理解は欠かせない要素です。

社内コミュニケーションには、LINEやEvernoteなどのツールも積極的に取り入れ、日々の業務を見える化し、お互いにブラッシュアップするための意見交換も活発に行っています。なんでも相談しあえる風通しの良い会社であることが大切ですね。

社内も地域の皆様とも、コミュニケーションを密にして信頼関係を築いていくことが、会社の成長に結びついているのだと感じています。


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↑家族葬施設に併設されている「花てらすカフェ」
一般のお客様も多く、地元の憩いの場所となっている。


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↑毎月恒例のやまうちまるしぇ。花や食品の販売、ビンゴ大会などのイベントなど大盛況。
毎回楽しみにしている地元の方が多い。

■山内葬祭・グリーフサポート導入ストーリー■

平成20年頃 
新しい集客を考えていく必要を感じ、地域イベントを開催し、顧客接点を増やしはじめる。


平成22年
エンバーミング導入のため、ジーエスアイと業務提携を結ぶ。

エンバーミングセンター設立準備と並行して、グリーフサポートを学び始める。
葬儀を施行するものとしてご遺族の理解は不可欠だと感じ、社内に導入を決める。

平成23年
グリーフサポートバディに認定。

燕市を中心に県央地域で800人以上の会員数を誇る「やまうち友の会」「花の会」の会員さんや一般の方々が月に一度集う花市、やまうちまるしぇが大好評。
やまうちまるしぇを縁に地域にコミュニティを確立し、住民の安心スポットの位置付けに。

平成27年頃より
成功事例が話題となり、葬祭業、病院や介護施設などでのグリーフの視点を入れた講演依頼が相次ぐ。


平成30年現在
4つのホールを運営。年々、葬儀・法要・事前相談件数が右肩上がりで伸びている。



次回は、グリーフサポートを組織改革や人材育成に繋げていらっしゃる事例をご報告しますね。

(書いた人:穴澤由紀)
 

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ジーエスアイでは、死別に苦しむ人達を支える時に大切なポイントをお伝えしています。
グリーフサポートを実践するために必要な知識・スキルやサポートマインド、セルフケアについて
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