はじめまして、こんにちは。
株式会社ジーエスアイのグリーフカウンセラー、筒井 英恵です。
下の名前をよく読み間違えられるのですが、つつい はなえです。
グリーフサポートラボ・スタッフブログの1つ、「おはなのオハナし」を担当します。
「おはなのオハナし」のネーミングについては、後ほどお伝えします。
自己紹介
最初に少し、自己紹介をさせてください。
自分自身と友人の喪失体験をきっかけに、グリーフという言葉に出会い、2012年からジーエスアイのグリーフサポートセミナーで学び始め、2014年にグリーフサポートバディを取得。ご遺族と直接接することもなく、葬儀業界とは全く関係のない仕事をしていながら参加した、ある意味”変わり種”です。ありがたいことに、私が参加した頃から、私と同じく心理職に携わるセミナー仲間が段々増えてきています。
▼グリーフ・グリーフサポートについてはこちらでご説明しています
http://lab.griefsupport.co.jp/grief/
私がグリーフサポートを学ぶ中で、「自分らしさ」というものを見つめることとなるのですが、そこで自分の本当にやりたいことはこれだ、と気づき、「グリーフサポートを軸にした心理カウンセラー」として生きていくことを決心したところで、2016年よりジーエスアイに勤め始めました。
余談ですが、「自分らしさ」の繋がりで、ジーエスアイに入社して少ししてから、ほぼ毎日着物を着て通勤させてもらっています。着物についてのお話は、次回以降に。
私が心理カウンセラーとして大切にしているのが、グリーフサポートと、家族療法の2つです。家族療法とは、心理療法の一つで、その考え方・アプローチを、私はグリーフサポートにおいてとても大切なものだと思っています。
▼おはなが学んだ主なセミナー・学校・講座です
・グリーフサポートセミナー http://lab.griefsupport.co.jp/seminar/
・日本カウンセラー学院 https://www.therapy.jp
・アッカーマン家族療法研究所 https://www.ackerman.org
・日本家族カウンセリング協会 家族相談士養成講座?http://www.j-f-c-a.org/lisence.html
そんな私のブログでは、グリーフ・グリーフサポートと家族をテーマにしたお話を中心に、また、私が心理カウンセラーとして気になったことや、とっても個性的なジーエスアイメンバーとの面白い話、そしてジーエスアイのある日本橋は人形町の、美味しいお店の情報などもお届けしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします!
↑ ジーエスアイのメンバー(一人のぞく)と。一番右が私です。
心理カウンセリングとグリーフ・グリーフサポート
私が心理カウンセリングの勉強を始めたのは、グリーフサポートセミナーを受講し始めた後でした。大切な人を亡くすという大きな喪失を経験した後、心や身体に元気がなくなり、時に生きることがつらい状態にすらなってしまうグリーフ。
そのような苦しい状態になってしまうのは、その悲しみや嘆き、そして痛みを自分の中に閉じ込めてしまうから。まず遺された人がつらいのはグリーフだからこそで、決しておかしくなってしまったのではないと知ること。そしていま心身で感じていることを閉じ込めることなく、自分らしくそのままに表現することを自ら許せる場や、話せる相手に出逢うことで、少しずつ元気になっていく。そして、周りもそれを理解し、受け止め、支えることが、その人が大切な人を亡くしたあとの人生を生きていく力になるんだ、ということを学びました。
そして、グリーフの苦しみ、そしてグリーフサポートの大切さを知るにつれ、自分自身の経験や私の家族の経験と照らし合わせ、辛く感じた経験を思い返すと、「ああ、そういうことだったのか」と、それまで、どういうことかがわからずに翻弄されてきた理由がわかっていきました。そしてそれには人と人との関係性で言うところの「家族」が大きく関わっていることにも気づかされます。
グリーフサポートの基本は、まず、きちんとご遺族のお話を聴くことができることが必要。ならば人の話を聴くプロである心理カウンセラーの勉強をしよう、そして、グリーフサポートをもっと深めるために、家族療法を勉強しよう、と思ったのでした。私自身、心理カウンセリングによって人生で大きく助けられた経験があるからこその、確信を持った決心でした。
実は、日本の心理カウンセリングの分野では、残念ながらグリーフという言葉は意外と知られていません。短期療法のブリーフ?と聞かれることもしばしば。様々な人生の大事な局面に関わるグリーフについて学んでいる心理カウンセラーがどんどん増えていくことを、心から願っています。
「グリーフと家族」
大切な人を亡くす、というと、まず身近な家族を亡くすことを思い浮かべます。そして、大切な人をお見送りする葬儀の場に集まるのも、基本的に「家族」です。葬儀のスタイルは社会の変化に伴って、規模が縮小してきていますが、しばらく前から、近親者のみが集まる形式は「家族葬」と呼ばれるようになりましたね。
「家族」というと、血の繋がった家族、育ててくれた人、一緒に育った人、パートナー、自分の子ども、またその子ども、と、一般的に、血が繋がっている人のことを言うではないかと私は想像するのですが、このブログを読んでくださっているあなたは、どんな人を思い浮かべるでしょうか。
「グリーフの苦しみの強さは、グリーフを抱えている人と故人との【心的な距離】に比例する」と言われています。それならば、はたして、「心的な距離が近い人」とは、血が繋がった人という一般的な意味での家族だけでしょうか?そして逆に、血が繋がった人ならば全員が「心的な距離が近い人」になるでしょうか?
~「家族」って?~
突然ですが、ここで、私が担当するブログのコーナーを「おはなのオハナし」とした理由をお話すると…
1. 私の名前が「はなえ」なので時折友人に「おはな」と呼ばれていること
2. ハワイ語の’Ohana=オハナという言葉の意味が
“ハワイ語で、広義の「家族」に相当する概念。ただし、オハナは、血縁関係がない者も含んだ意味での「家族」を意味するという点や、世代を超えて永々と続くという捉え方が強調される点に特徴があり… (from Wikipedia)”
とあって、私が考える「家族」の定義と、とても似通っていたからです。
↑ハワイで見た木。家のようにも家族のようにも見えます。
名付けついでに、もう一つ。
私がなぜ「英恵」と名付けられたかというと、
・「日本人初のパリコレオートクチュールデザイナーとなった森英恵さんのように国際的に活躍して欲しい」
・「家族(父・母・姉)がみんな植物の花が好きだった」
という理由からです。
こうして、ほとんどの場合、家族に新しく生まれた子どもに名前をつけるときには、その家族の大切にしていること、子どもの幸せを願った文字や音、親や親戚の名前の一部、など、その赤ちゃんの家族特有の価値観や願いが込められていますね。漢字を使う文化では、お名前の文字からそれを読み取れるのも、興味深いところです。
私が人と初めてお会いした時にお名前を伺う時、そのお名前の由来を想像したり、実際にお尋ねすることがあります。目の前の人がどんな想いを受け取って育ってこられたか、どんなことを大切にしてきたのかなど、そういったことを知ることができると、その人のことをより深く知ることができます。
家族にまつわる相談内容のカウンセリングの導入では特に、こうして、お名前の由来をお聞きするのもよいかもしれません。
~家族療法にとっての「家族」~
では、「家族」の定義についてのお話に戻ります。
家族療法では、ちょっと難しい言い方ですが、「家族」を「個々のメンバーが互いに影響を及ぼし合う、ひとつの”有機体システム”=”生き物”」という言い方をします。
家族はひとつでも、その中には複数のメンバーがいて、それぞれのメンバーの変化・成長すれば、互いに影響しあいながら、家族全体が変化・成長していく、ということです。
この「ひとつの生き物」が集まっていけば、社会、国家、ひいては世界もひとつの生き物で、家族はそれを構成するメンバーのひとつだ、というのが、ご想像いただけるでしょうか。
社会学では、「家族」は「社会の最小単位、社会の原点」と言われます。人が生まれ、社会生活を送る一番初めに接するのが、その人を育てた家族です。そこから学んだことや影響は、生涯ゼロになることはない、とも言えるのではないでしょうか。
家族療法では、カウンセラーがお話を聴く時に対象とするのは、家族療法というネーミングから連想する範囲よりも意外に広いものです。
クライエント(来談者)とその家族だけではなく、友人や、学校・会社などでその人に関わっている人、またペットも含め、その人に影響を与えてきた・与えていると思われる限りの広い範囲での人間関係、つまり、関係性です。基本的にその人を中心に3代にわたって注目します。
その人がこれまで、そして現在置かれている状況と、それぞれとの関係性とをお互いに理解し、何がその人に影響を与えてきたかを紐解いていくように心がけてカウンセリングをします。
当然ながら、人は人生で様々な人と出会い、様々な場所にいて、様々な価値観に触れます。
ですので、相談を必要とし、何かで困っているクライエントさんの「問題」に関わっている人間や環境の要素は、血の繋がった家族にとどまりません。
ということは、「家族」の定義も、人それぞれ全く違うものとなります。ですから、話を聴く側が「家族」について固定された定義を持ってお話を聴くことがないように、気をつける必要があります。
グリーフカウンセリングだけでなく、どのご遺族と接するお仕事でも、グリーフになるほどにその人にとって「心の距離が近い人」との関係性を、広い視野で見て知ることが、その人の「自分らしい表現」を助けるポイントになる、と私は考えています。
~おはなが伝えたいこと~
グリーフを抱えて元気をなくしている人と亡くなった人とはどんな風に「心の距離が近い」=「大切な」人だったのか、つまり関係性はどんなものだったのか、に始まり、その人の今の感じ方・考え方はどんな風に身についたのか、また、今までその人を支えてくれた人、これから支えてくれる人は誰なのか、などなど、その人に影響を与えていることを知ることが、グリーフサポートに携わる中できっと大きな支えとなると思い、家族療法の考え方やアプローチをグリーフサポートに取り入れることを、私は伝えていこうとしています。
その一つの方法として、このブログにて、家族療法の考え方やアプローチがどんな形でグリーフサポートになるのかについて、お話ししていきます。
だいぶ長くなってしまいましたので、第1回は、ここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!