【Ken’s Room】[マジカル フューネラル®️がウォルト・ディズニーワールドにやってくる]

Ken's Room

『マジカル フューネラル®️がウォルト・ディズニーワールドにやってくる』

~以下は、11月8日にウォルト・ディズニーワールドの情報サイトUncle Walt’s Insiderに掲載された記事になります。~

フロリダ州にあるウォルト・ディズニーワールドは、世界のトップクラスのバケーション先であるだけでなく、結婚式を行う場所としても世界一だと言えるでしょう。しかし、ちょうど、ディズニーから新しい葬儀サービス「エンドオブライフサービス」の提供について発表されたことで、葬儀を挙げるプレミアな目的地になるかもしれません!

現在、ディズニーには、結婚式を司祭することのできる100人を超えるキャストを迎えており、彼らは様々な宗教、宗派(カルバン派を除く)に対応でき、日々、ウォルト・ディズニーワールドにおいて、100を超える結婚式を執り行っているそうです。2つの家族を1つの家族へと結びつけることは、幸せな出来事であるとともに、結婚式をきっかけに新しい人生が作られるということでもあるのです。


ある新聞
がこの様な幸せな場面に水を差す、ディズニーワールド内でのゲストの行動について報道しています。それは、ゲストが、遺骨(遺灰)をパーク内に持ち込み、運河や乗り物、みんなが大好きなチュロスのカートの周りなどに撒いているということでした。

遺灰は遺灰に 塵はパークのちりとりに? (Ashes to ashes, dust to theme park broom?)

マジックキングダムを訪れていたゲスト、ミック・ジマルニーさんとその妻サラさんは、突然こんな葬儀を目撃したそうです。

「そこで、七面鳥の足を食べていたんだよ。そうしたらこの男が袋を取り出し、大声で、『ママ、愛しているよ。今でも会いたいよ』と叫び始めたんだよ。そして遺灰をパーって撒いた次の瞬間に、奴の周りにいたブラジル人観光客の集団が、彼の母親の遺灰で真っ白になっていたよ。葬儀の時に声をあげて笑っちゃいけないってわかっているけど、この時は、大笑いしちゃったよ。」

全てのゲストに魔法を ー亡くなった方にも

ディズニーは、これまでにゲストが希望することに応えてきました。2019年の初めに、グランド・フロリディアンリゾート&スパ内に現在建設中の葬儀パビリオンで、新たな「マジカル・フューネラル®️」サービスを開始します。

ディズニーカンパニーのスポークスマンであるジュン・ディズニー(ウォルトディズニーとは関係なし)は、自身の愛猫ヘルレイザーの葬儀に出席していてコメントはもらえませんでしたが、下記の文章を送ってくれました。

「ディズニーは、常にゲストが望むことを提供してきました。私たちは、ゲストのための最新のサービスを発表できる事にとても興奮しています。それは、葬儀のサービスです。そして、ディズニーが、葬儀においてできることがたくさんあることを想像できます。

70年以上も愛してきた存在を喪った後に、ミッキーマウスが慰めるところを想像してみてください。グーフィーが、敷地内に併設されている火葬施設で、ご遺体が全て完璧に遺灰になるまでに働いてくれたり、ドナルドダックが、心が動かされる様な「弔辞」を述べてくれたり、我々の会社で働く才能あるライターに、あなたのためのスペシャルな弔辞や喪主挨拶を書いてもらえるよう依頼することもできる様になるのです。」

2018年12月よりスマートフォン用の新しいMyFuneral +というアプリをダウンロードしたり、ディズニーのウェブサイトにアクセスしたりすることができます。ぜひそれを試してみましょう

(11月8日Uncle Walt’s Insiderに投稿された記事を日本語翻訳)

セレブラントは、着実に広がっています。

多くの人が自分らしい生き方、自分らしい仕事の仕方を求めることについて、否定する人はいないのではないでしょうか?自分の子どもが、こんな学校に行きたい、こんな仕事をしたいと真剣な眼差しで訴えてきた時、頭ごなしに「そんなことを我が家では誰もしていないからダメだ!」と言う人も中にはいるかもしれませんが、最近では様々な選択肢を家族全員で模索し、その子のために最善のことを実現しようとする人がだんだんと増えているのではないかと思います。

しかし、こと「死」に関連することは、相変わらず真逆の反応を受けることが多い気がします。頭ごなしに否定され、その結果、誰にも相談せずに自分一人で決めてしまうことが増えている様に思います。終活に取り組む人が増えたり、葬儀社に事前相談の問い合わせをしてきたりする人の数が増えたのは、そういった影響によるものに間違いないと考えます。

生き方に自由を求めて、そのための努力や工夫を否定することが本当に少なくなってきている今、人生における「儀式」も大きな影響を受けるのは、当然だと思います。近年、儀式の必要性や、その価値について疑問を投げかける報道や著書もたくさん発表されてきました。

超高齢社会になり、これまで当たり前だったものが当たり前でなくなることを目の当たりにして、介護、医療、葬儀、墓や仏壇などの供養などに携わる人の多くが、今後どの様に自分たちのあり方を見直していけばいいのかわからなくなり「これからどうしたらいいのでしょうか?」という質問を受けることが本当に増えてきました。

しかし、その質問をしてくる人の多くは、自分たちのあり方や行動、コミュニケーションの方法などを一切変えることなしに、簡単な解決策だけ求める人の方が多かった気がします。「お客様を変えることなどできない」という事実を受け止めることから始めていくしかないのです。

僕がグリーフサポートを学び、研究をし始めて、気づいたら25年近く経って、「大切な存在を喪った時に儀式の果たす意味や価値の大きさ」を痛感してきました。しかしながら、儀式がみるみるうちに簡素化し続けている現実をみて、これ以上この状態をそのままにしておくわけにはいかないと感じ、研究の幅をさらに大きく広げてきました

その中で出会ったのが「セレブラント®️」です。海外では、今や宗教者以上に儀式に関わることが増えているというデータを目の当たりにした時に、全ての存在が、正確な評価をせずに、「古く、役に立たない、時代遅れのもの」と短絡的に決めつけ、大切なものを含めて、捨ててしまうのではないかと危機感を覚えました。

そこで、僕自身は知りもしないで、否定するのではなく、この分野をとことん学ぶことで、「本質的に何が起こっているのか?」、「何が大事なことなのか?」を探究することに決め、アメリカにある2つの教育機関に申し込み、教育を受けました。

学び始めてみると、それは、所謂「無宗教の儀式」を勧め、司るものではないことが明確になってきました。カリキュラムには、儀式を作り上げている要素を文化人類学的にも、宗教学的にも学び取るために、たくさんの文献を読み、その中にある本質が、実は映画などのエンターテイメントの世界にも活用されていたりすることを知ったのです。

その視点から見ると、実は儀式自体の中に変わる事なく残っていることや残念なことに消え去っていることの多くにも気づいてしまいました。

葬儀社が提供しようとするプランに対して、簡単に首を縦に振ってくれる人は急速に減り、お墓の提案をしても思うようにいかないことが増え、さらに供養に関しても、住職へのお布施やその存在に疑問を呈する人が増えたことの原因は、ご遺族ではなく私たち提供者側にあったことに気づいたのです。

すると、自分の死を意識して事前に準備をしようとする本人だけでなく、遺された家族、友人の思い、感情、思い出をしっかりと聞き取り、整理をして作り上げた「儀式」が求められるのは、当然のことなのではないでしょうか?

2018年に入り、アメリカにおいてそのムーブメントは、さらに進化をしています。世界最大の葬儀社、火葬場、霊園全てを運営する企業であるSCIがセレブラントを前面に打ち出した葬儀を積極的に展開し始めました。それは突然始まったわけではなく、”Personalization”「その人らしさ」というキーワードでこれまでも取り組んできたものを、進化させてきたのです。

そして、11月8日にさらに衝撃的なニュースがSNS上にアップされました。前出のウォルト・ディズニーカンパニーが、2019年初めに葬儀関連サービスを提供するというニュースです。冒頭のニュースの中に書いてあった、「結婚式を司祭することのできる100人を超えるキャスト」がそのセレブラントのことであり、すでに彼らは様々な宗教宗派に対応し、ウォルト・ディズニーワールドにおいて、100件を超える結婚式を執り行っているのです。

そして2018年12月には”My Funeral+”というアプリを公開し、これによって、その人らしい人生をしっかりと思い出と共に振り返ってお祝いして感謝する場を、彼らが提供するというのです。

私たちはご遺族を支えるために、自分たちに何ができるのか? 自分たちにしか提供できない独自の存在価値は何かをしっかりと見据えた上で、ご家族と繋がるために必要な「知識」や「スキル」を身につけていくしかありません。

株式会社ジーエスアイでは、「セレブラント®️」を育成するためのカリキュラムも完成し、2019年3月より「セレブラント養成コース」として提供開始予定です。
受講をする上で職種は問いません。ぜひお問い合わせください。

そして、来たる11月15日関西エンディング産業展のセミナーで、この件についても触れていきたいと思っています。皆さんのお越しをお待ちしております。

書いた人:橋爪謙一郎

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