【三寒四温】
だんだんと暖かな日が多くなってきて、春もいよいよそこまで来ているようですね。
その分、花粉症でお悩みの方も多いことでしょう。明日は我が身、いつ自分が発症するのか、ハラハラしながら毎年この時期を迎えている日高です。
まずは、前回のレポート記事に関して、初回よりもかなり多くの方に読んでいただいたこと、心より御礼申し上げます。これからもグリーフサポートを学んでみたいと思ってもらえるようなレポートにしていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。
先月、久しぶりに宮崎に帰省してきました。お盆休みに帰省できなかったので、約1年ぶりの父の墓参りと昨年末に亡くなった叔母の旦那さんの墓参りに行く予定でした。
これは別の叔父の家に集まった時の話です。叔母に墓参りに行きたいので場所を聞いたのですが、実はまだ納骨をしていないと言うのです。49日も過ぎ、とっくに納骨も済ませているものと思っていたので、悪いことを聞いてしまったと少し後悔しました。
しかしそれと同時に、「焦んなくても大丈夫だよ。気持ちの整理がつくまで、ゆっくりお別れの時間を作って良いんだから」と自然に言葉が出ていました。
そして帰り際に、「家に帰って、落ち着いたときに読んで」と伝え、元々叔母に渡すために持って帰っていた『大切な人を亡くしたとき』を渡して、別れました。
すると翌日の朝、叔母から「もらった本、読んだよ。今の私の気持ちがそのまま書いてあった。もうちょっと時間かかるかもしれないけど、ちゃんとお別れできそうな気がする。ありがとね。これからもこの本、大切にするね」と泣きながら電話がありました。
たぶん、グリーフサポートを学んでいなかったら、納骨しない理由も分からなかったと思いますし、あんな言葉をかけてあげることもなかったと思います。またまた、感謝、感謝です。
さて、前回のベーシックコース前半では、『グリーフサポート』に最低限必要な基礎知識を学びました。
今回のベーシックコース後半は、『グリーフサポート』の基礎知識を踏まえた上で、「大切な人を亡くした方」を「自分らしく支える」ためにはどうあるべきか? 何が必要か? 支える側のあなたはどんな人物なのか? を知る学びになります。
ベーシックコース後半で学ぶ内容は下記の通り。
1.グリーフサポートマインド……「自分らしく支える」ために必要な、サポートに対する基礎的な考え方、心構えを4つの視点(①共感すること②尊重すること③あたたかみと思いやり④誠実であること)から学びます。
2.グリーフサポートにおけるコミュニケーションの重要性と9つの重要なコミュニケーションスキル、7つのテクニックを学びます。
3.セルフケア……単なるストレス解消やリラクゼーションだけではなく、自分の人生を振り返り、自分自身を知ることがグリーフサポートには重要であることを学びます。
ベーシックコース前半では、グループでのセッション(共有)がメインでしたが、後半はコミュニケーションスキルを高めるため実践をメインに行います。
例えば、コミュニケーションのためのテクニックを学ぶ時間では、人はどのくらいの距離まで近づくと不快感(威圧感)を感じるかを検証します。
ペアで立ったまま向き合い、少しずつ距離を縮め、自分のパーソナルスペース(侵入されると不快に思う空間)に入ってきた段階でストップをかけます。そうすることによって、相手が不快に感じる距離がわかり、結果、安心して話してもらえる距離感を学ぶことができます。
ここで面白かったのは、パーソナルスペースには個人差があるという事です。例えば私の場合は、横からだと案外すぐ傍に来られても抵抗感はないのですが、正面から1歩ずつ、目線を反らさず近づいて来られると、相手の威圧感に耐えられず、1m以上離れたところで止まってもらいました。
しかし、いざ自分が近づいていく立場になると、それまで感じていた1mの威圧感が薄らぎ、よりもっと近づくことができたのです。自分ではこれくらいが限度かなと思っても、それは相手によりけりということです。
する側とされる側、それぞれの立場の気持ちが分かることで、安心してもらえる距離感を知ることができました。
ほかにも、対ご遺族だけに留まらず、一般的にも通用する様々な会話のテクニックを学びます。
こういう場面はたくさんあると思うのですが、向かい合わせで会話していると、ずっと目線を合わせ続けるのはお互い気恥ずかしくなるものです。またはプレッシャーを感じてしまうかもしれません。
そんな時、目線をどうずらして、どこを見れば好印象を与えられるかをペアになって実践します。これは「アイコンタクト」のテクニックの1つです。ほかにも「うなずく」テクニックや「相槌を打つ」テクニックなど7つのテクニックを学びます。
これらを意識するだけで、今まで苦手意識のある相手でも、以前よりずっと会話がスムーズになります。
以前の私だったら、会話しながらも、頭の中では「この人、話し辛いな~」とか、「ちょっとイラっとするな~」とか、感じることが多かったのですが、このテクニックを意識するようになってからは、特に初対面の方との会話が格段とスムーズにできるようになりました。
通常、セルフケアと聞くと「カラオケでストレス発散」とか、「温泉でリフレッシュ」というイメージを持ちますが(これが私のセルフケアなので)、グリーフサポートにおけるセルフケアとは、人生を振り返り、自分自信の生きる意味や目的を実感するということ、すなわち「自分自身を知る」ということです。
ベージックコースのセルフケアは、人生を振り返り「あっ、これって得意分野かも」とか、「いつもこれ苦手だったなぁ~」など、自分の強み(才能)と弱みを改めて発見する良い機会でもあります。その発見を受け入れることが、人生の目的達成への後押しをする力となります。
こうして2カ月に渡って4日間、グリーフサポートのベーシックを勉強してきましたが、最後は今の自分のストレスチェックを行い、ベージックコースは修了となります。
【ベージックコースを修了しての感想】
グリーフサポートについての基礎知識を持つことにより、人に対して色んな視点から見れるようになりました。それにも増して、人に優しく接する、気持ちの余裕を持てるようになりました。
この歳になるまで、自分の人生を振り返って、自分の才能について考える時間もなかったですし、感情を表に出すこと(喜びや感謝の気持ちは素直に出していましたが、怒りや悲しみはなるべく抑えるようにしていました)は恥ずかしいことだと思っていました。
自分自身の性格・才能を理解し、受け入れることで、初めて人に寄り添う立ち位置に立てるということが分かり、それがやがて意識せずとも行動に現れてくるように、これからもグリーフサポートの探求をしていきたいと思います。
【後記】
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は諸事情(ぎっくり腰)により第50期の前半を受講することができず、第50期の後半と第51期の前半という2期に渡って受講させていただいたこともあり、たくさんの受講生の方と知り合うことができました。
皆さんが、それぞれに大変なお仕事や経験をされている方たちなので、貴重なお話をたくさん聞かせていただいて大変勉強になりました。本当にありがとうございました。しばらく皆さんにお会いできなくなるのは寂しいですが、アドバンスでまたお会いできるのを楽しみにしています。
これから先も、同期の皆さんと一緒に、グリーフサポートバディを目指して頑張っていきたいと思います。
死別体験をされた方をサポートしたい方へ
ジーエスアイでは、死別に苦しむ人達を支える時に大切なポイントをお伝えしています。
グリーフサポートを実践するために必要な知識・スキルやサポートマインド、セルフケアについて体系的に学ぶオリジナルセミナーを定期的に行っています。
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