自死遺族を支える

自死遺族を支える

皆さま、こんにちは!
ジーエスアイの平島です。

 

2020年がはじまって、早2ヶ月が経とうとしています。

2020年のビックイベント東京オリンピックまで、半年を切りましたね。
皆さまはオリンピックのチケットをゲットされましたか?

私は今のところ、すべて落選しております。
さらにはジーエスアイのすぐそばの通りがコースになっており、楽しみにしていたマラソンは札幌へいってしまい……
まだチャンスはあるようなので、諦めずにチャレンジしようと思っています。

 

  

さて、年始のジーエスアイではセミナーシーズンが到来し、年に一度開講するプロフェッショナルコースもスタートいたしました。

プロフェッショナルコースでは、「自死遺族」や「子ども」のためのグリーフサポートについても学ぶのですが、私がこの2つのキーワードから思い出す、あるご遺族のお話を、少し綴ってみたいと思います。

  

私がディレクター時代に担当した、ある葬儀の故人様は妊婦さんでした。
そして、その妊婦さんの死因は自死でした。

妊婦さんが自死……。結びつき難い二つのキーワードに、とても緊張しながら打ち合わせに伺ったことを覚えています。

中心となって葬儀の準備をされたのは、喪主を務めたご主人と、故人様の両親でした。

  

打ち合わせが祭壇の話にさし掛かったとき、喪主様が「これで」とパンフレットで最高額の祭壇を指さしました。
するととっさにお父様が、「そんな立派な祭壇、娘にはふさわしくない」と仰ったのです。

 

娘のために、一番いい祭壇なんて選ばなくてもいいんだよ。
そんな意味が込めらた言葉のように聞こえました。

すると喪主様は「ふさわしくない、とはなんですか!」と一瞬激高されたあと、静かに「これで」と再び最高額の祭壇を指差されたのです。

  

喪主様は、奥様のためにできる限りのお見送りをしたいという思いを強くお持ちでした。

自死のケースでは、その事実を隠したい、できるだけ静かに送りたい思いから家族葬など、あまり周囲に知らせないままに葬儀を執り行うことも多く、今回もきっとそうなるだろうと想定していました。


しかし、この喪主様は奥様の友人にもくまなく声を掛け、通夜も葬儀も多くの関係者が参列されていました。

奥様と、奥様の人生の「尊厳」を守り抜きたいという思いが、喪主様を突き動かしているように私には感じられました。


グリーフサポートを学んでいても、経験則から勝手に判断してご遺族を見ていたことにハッとしたと同時に、凄い喪主様だな、と率直に尊敬の念を抱いた印象深い葬儀でした。

   

   

実は、このご夫婦にはもうひとり、生まれてくる赤ちゃんのお姉さんになるはずだった女の子がいました。

 

その子はお母さんが亡くなった第一発見者となったそうで、死別直後から家に入るの怖がるようになり、結局このご自宅を手放すことになりました。

さらには親族間にも亀裂が入り、ご両親は孫である女の子に会うこともできなくなってしまったようだと、人づてに聞きました。

こんなご遺族の後日談を耳にした時、自分はご遺族のために何かできたのか、無力感に苛まれることも少なくありませんでした。

  

ディレクターとしてご遺族と関わる時間はほんの一瞬に過ぎず、ご遺族にはその後も長いグリーフの旅が待っています。 
私たちがご遺族の抱える問題すべてを解決できる訳では、到底ありません。

  

それでもいま目の前にいるご遺族のために、その一瞬一瞬に最善を尽くし、そこから得た学びや反省を次にお会いするご遺族のために活かしていく。

そうやって誠実にご遺族と向き合って、心の声を聴いていくことが何より価値のあることだと感じています。

  

   

そんな、日々ご遺族を支えている人たちが、もっともっと自分の仕事に胸を張れる世の中になったらいい。

そのために、グリーフやグリーフサポートを学び、支えるプロとしての自分の価値を磨いていくことはとても有効だと考えます。

     

時が経っても思い出す、印象深いご遺族っていますよね。
どうかそのご遺族が幸せでありますように、と願いを込めて。

  

  

※実際のケースをヒントに、設定などを変え再構成しています。

(書いた人:平島まどか)