[きよみのみかた-7]グリーフサポートバディになるということ

きよみのみかた

今回の[きよみのみかた]は、前回に引き続き、
ジーエスアイが認定するグリーフサポートのプロフェッショナルとしての資格、「グリーフサポートバディ」について。

今年で105名となった、グリーフサポートバディ。
前回は、なぜグリーフサポートバディが誕生したのか、その理由とそこに込めた思いについてお話ししました。

今回は、グリーフサポートバディになると何ができるの?

そんな疑問の答えになればなぁと思います。


グリーフサポートができるプロフェッショナルな人材を育てたい、
と言う思いで始まったこの資格認定ですが、
「グリーフサポートバディになると何ができるんでしょうか?」とよく聞かれます。

実は、そう聞かれると、いつも困ってしまうのです。

なぜならば、ジーエスアイが認定するグリーフサポートバディは、
「プロフェッショナルとしてグリーフサポートができる人の証」であって、
あれができる、これができるというような技術習得を認定する資格ではないからなのです。


ジーエスアイが主催するグリーフサポートセミナーのベーシックコース、アドバンスコース、プロフェッショナルコースでの、延べ116時間という長い学びの時間もさることながら、認定試験においても小論文を書くため、プレゼンをするために約1か月ほどの時間を費やして、準備をします。

その準備期中に自分と向き合って自分自身を探求し、課題の答えを見つけ出す作業を経ながら、グリーフサポートバディへの道を進んで行くのです。

では、なんでグリーフサポートバディになるためにこれだけの時間をかけて学んでいただく必要があるのか、と言うことを少しお話ししたいと思います。

グリーフの状態にある人がいる場合、支える側はまずは相手がその状態にあることに気づくことが重要です。「この方はグリーフの状態なのかもしれない……」とにじみ出ている症状から気づいてあげるために、グリーフの知識を学んでいただくのです。

そもそも、世の中まだまだ「グリーフの状態」がどんな状態のことを指すのかなんて、認知されていませんので、多くのご遺族は、自分がグリーフだと自覚している方なんて本当に少ないのです。 ですからまずは、今その人が体験している「おかしくなってしまったかも……」と感じていることについて、おかしくなったわけではなく、死別体験をした時には誰にでも起きる可能性がある症状なのだということを、根拠を持って伝えられる必要があります。そういう意味でも、グリーフの知識をきちんと持っていないと、根拠ある説明ができないのは、お分かりのことと思います。

そして次には、今抱えている不安や心配事、苦しい胸の内を話してもらえるように、誰にも否定ざれず秘密が守られる安全な場と、信頼できる人間関係を築いて、とことん話を聴くことが求められます。このためにコミュニケーションスキルをしっかり身に着けるわけです。   こうして初めて、ご遺族に対してサポートするスタート地点に立つことができるようになるのだと思います。   支える相手と信頼関係を築くことができれば、折り合いをつけるためにはどんな支援が必要なのかを教えてもらうことができます。話もしっかり聴かずに、勝手に自分の経験値などから決めつけてアドバイスしたり、支える側が持っている答えを押し付けるようなことがあれば、その相手は二度と心を開いてくれることはないでしょう。   また、支える相手に近づき過ぎても共依存と言う状態が生まれます。
相手に対して、自分がいなければ……、支えられるのは自分だけ、という考えに至ってしまうと、支える側の満足のために相手が自分自身の力で元気になる力を奪ってしまうことになります。

グリーフの状態にある人が、悲しみと折り合いをつけて元気になっていくには、自分の力でその悲しみと向きあう必要があります。支える側である私たちは、そばにいて時には共感し、時には勇気づけ、時には前に進めるようになるまで相手のタイミングを待てる存在でなくてはならないと思うのです。

この点を勘違いしないように、グリーフサポートマインド=支える者としての在り方、についての考え方を身に着けていただくのです。

そして、自分には何ができて何はできないのか、また感情的に相手に近づきすぎたとしても、相手の感情や苦しみを抱え込むことのないよう、あるいは自分自身の心の傷と混同して自分を癒すために相手を利用しないよう、自分らしくあるための術として自分自身を知るためのセルフケアの時間が必要なのです。



ほとんどの場合、ジーエスアイでグリーフサポートバディになるために学びたいと思ってくださる受講生は、グリーフにある方を支えるために来てくださるのですが、結果として、グリーフの知識やスキル、サポートマインドを学びながら自分自身と向き合うことによって、自分自身のグリーフサポートをしていくというシステムになっているのです。


自分自身が癒される経験をしたからこそ、グリーフサポートが必要な方に対して、心から寄り添ったサポートができるようになるのだと思っています。


ですから、冒頭に書いたように、ジーエスアイが認定するグリーフサポートバディは、あれができる、これができるようになるという技術習得を目指す資格なのではなく、「プロフェッショナルとしてグリーフサポートができる人の証」なのです。


社会は常に変化しています。

それに対応していくために、自分自身を癒すために、そして、自分らしくサポートを続けていくために、グリーフサポートバディたちはこれからも継続教育を通じて学びを深め、自分自身をアップデートしていきます。

そしてなによりも、グリーフサポートバディのみなさんには、努力を重ねてきたことに対して誇りをもって活動していっていただきたいなと思っています。

(書いた人:橋爪清美)

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※来年度の第8回グリーフサポートバディ認定試験は、2019年の4月末に行われる予定です。

2019年1月から始まるプロフェッショナルコース第8期を修了した方が認定試験を受けることができます。

7月から始まるベーシックコースを受講し、秋のアドバンスコースを受講いただければ、最短でグリーフサポートバディになることが可能です。

◆セミナーの年間スケジュールはこちらをご覧ください。
http://www.griefsupport.co.jp/griefsupport/pdf/GSI_Seminar2017.pdf
 

◆グリーフサポートセミナー ベーシックコースについてはこちらをご覧ください。
http://www.griefsupport.co.jp/griefsupport/seminar/seminar-course.html#p1

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◆グリーフサポートセミナー ベーシックコースについてはこちらをご覧ください。
http://www.griefsupport.co.jp/griefsupport/seminar/seminar-course.html#p1

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